長 谷 寺
本堂の広い舞台の上から眺める境内と初瀬の風景はなかなか見応えがあるが、夏の日差しは肌を射し汗が吹き出る感じである。登廊の周囲に植えられている牡丹は、唐の皇妃馬頭夫人の献木と伝えられている。本堂より御影堂、五重塔と巡って仁王門へと下る。
花咲かば 堂塔埋もれ つくすべし 虚子
花の寺 末寺一念 三千寺 虚子
当山の御詠歌
いくたびも 参る心は はつせ寺
山もちかひも 深き谷川
百人一首
憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを
源俊頼朝臣
長谷(ちょうこく)を「はせ」と読むのは、この初瀬からでたものであろう。室生寺にしても長谷寺にしても、奈良時代に渓谷に沿った山裾に建造されたお寺は、平城京や平安京などの都の中もしくは周辺に造られたお寺と比べると、より純度が高くそして境内に自然が溢れているような感じを受ける。それだけ信仰心が篤い時代の雰囲気が、より濃く出ているのであろう。門前町の料理屋に入り、鮎の塩焼きを食べる。なかなかの美味である。長谷寺の駅より、また榛原経由名張の駅に戻る。そして名張より急行に乗って難波に戻る。
長谷寺 舞台
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