本堂に入る。浄土曼荼羅(当麻観経曼荼羅)が開陳されていた。本坊へ向かう。その途中の庭に本歌「燈明寺石燈籠」(九基名物のうち鎌倉時代)があり、三井家より寄贈されたものである。傍らにシャシャンボウと言う石楠花科の見事な木が植えられてあり、その右には蹲いの面白い形をしたものもある。書院は東山を臨んでおり、そこに涅槃の庭(昭和六三年作)というのがある。枯山水であるがまさに釈迦が涅槃をしているかのごとき石組みが苔の陸地に囲まれており、その手前の白砂の渦巻きのなかに水晶石のようなやや透明な石が置かれているのも興趣あり。右手の島には二本の大きな松があり、後方の生け垣の向こうは叡山が借景として見える。作者は判らなかったが、石組みなどの構成も落ち着いており、なかなかの名庭であった。本堂の回廊より撮した紅葉が、見事であった。 真如堂 涅槃の庭