高 桐 院

ついで高桐院に行く。ここも人影が少ない。高桐院は門前、それから参道が石畳と落ち着いた緑に囲まれていて、何時来てもその端正さに心が洗われるような気がする。先ず松向軒の茶室から拝観する。松向軒は細川三斎お気に入りの茶席であり、二畳台目の席となっている。手前が主人座、その向こうが客座で、客座の角に小さな躙口がある。ついで書院を改造して広間の茶席として鳳来席を見る。この茶席より庭に下りたって、始めて細川三斎の墓を見る。この墓の墓石に使われているのは、三斎が利休から贈られた石灯籠である。利休が秀吉の所望を断るためにその蕨手の後ろの部分を欠けさせたと言われており、その為欠け灯籠とも呼ばれているものである。利休の秀吉への接し方を見ると、この件の他にもいろいろと秀吉の怒りを買うことを、わざわざやっているような処がある。その為に最後には切腹せざるを得ないことになったのであろう。松向軒を庭のほうからも見る。その後は、方丈に廻り、楓の庭を見る。若い女性五人のグループがいるだけで、他の人は誰もいない。彼女たちに頼まれて、庭を背景とした写真を撮って上げる。こういうシーズンはずれの京都の寺も、ゆっくりとしかも景観を独占できるという意味では、なかなか良いものである。

高桐院から、今宮神社に廻る。この神社そのものは、あまり見るべきものはない。神社のそばにあるいち和と言う店で、あぶり餅を食べる。小さな餅肉に串をさして炙り、それに黄粉のたれをつけて食べるものだが、なかなか鄙びたいい味であった。

高桐院 庭園

 

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