太 秦 広 隆 寺

仁和寺より太秦に廻り、広隆寺を訪れる。広隆寺は推古天皇十一年(六〇三年)に建立された山城最古の寺院であり、四天王寺・法隆寺などと共に、聖徳太子建立の七大寺の一つである。古くには蜂岡寺と呼ばれたが、現在は広隆寺と呼ばれている。蜂岡寺は日本書紀によれば、秦河勝が聖徳太子より本尊弥勒菩薩を賜って、建立したものだと記されているそうだ。同じく日本書紀によると、秦氏は応神天皇の時代に日本に帰化し、養蚕・機織りの業を主たるものとして、大陸や朝鮮半島の先進文明を日本に輸入し、農耕・醸造などの産業にも貢献している。

境内に入り、まず上宮王院太子殿を拝観する。そのあと霊宝殿に行く。霊宝殿はかなり立派な造りであり、内部も広く整然と様々な仏像が安置されている。このお寺を訪れるのも、ほぼ二十四年振りである。当時仏像は割と小さな木造の御堂に、横一列に配置されており、もっと間近に御仏を拝顔することが出来たように思う。しかしこの霊宝殿は四方に様々な仏像が配置されてあり、その中央に弥勒菩薩半跏思惟像が見事な証明効果のもとに安置されている。照明の効果が良いせいもあるが、弥勒菩薩像はむかし見たときよりは、ずっと神々しく気高い印象を受けた。 

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