二 尊 院

本堂前庭は、「龍神遊行の庭」と呼ばれている。その昔この地に龍女が棲みついていたが、正信上人によって解脱・昇天した故事に倣って、そう呼ばれているようである。竹の半円に折り曲げたもので、三つの円形の島が造られており、樹木と刈り込みを配している。右端の島には枝垂れ桜がある。柿葺きの勅使門には紫の幕が掛けられており、その向こうの黄葉が幕の紫色と見事なコントラストを造り上げている。本堂に上がり、南面の小さな石庭を見る。小倉山の山稜を借景とした石庭で、浄土の世界を表すものとして「寂光園」と名付けられている。

本堂の本尊は釈迦如来と阿弥陀如来の両如来をお祀りしている。釈迦如来は真如の世界から迷界に現れ、現世と来世を繋ぐ「白道」を絶えず見守り励ましてくれる仏である。そして阿弥陀如来は人生の目的に辿り着いた衆生に、死への恐怖を越える勇気を与え、大慈の懐へ招き入れてくれる仏であり、この二尊仏が並んでいるところに、当寺の深い意味があるとされている。勅使門より出たところの紅葉も、見事であった。

二尊院の庭園

 

コメント

このブログの人気の投稿

県 神 社

天 龍 寺

金 閣 寺