常 寂 光 寺

 落柿舎への道を横に見ながら、常寂光寺へ向かう。この寺の開山は、究竟院日シン(示+真)上人(一五九五年頃)である。上人はもともと日蓮総本山本圀寺の法灯を継いでいたが、秀吉建立の東山方光寺の大仏殿供養のおり出仕に応ぜず、本圀寺を出てこの地で当寺を開創したのである。上人は歌人としても著名で、歌枕の名勝小倉山を隠栖地として提供したのは、角倉栄可、了以でのち了以の保津川事業を支援している。

山内には定家を祀る謌遷祠(歌仙祠)と時雨亭趾がある。嵯峨には時雨亭趾が当寺、二尊院、厭離庵と三ヶ所あり、いずれも定家山荘趾と言われているが、考証によれば当寺仁王門北、二尊院南が小倉山荘趾と見られ、厭離庵近辺は定家の子為家の山荘趾と見られている。これは定家の日記「明月記」を基本にした考証であるようだ。

仁王門から本堂へは石段で登る。左右の紅葉が見事である。本堂前の境内よりは、京都市内が望める。本堂裏に小さな庭あり。本堂からは左手にある坂道を降る。燈明のある下り坂が絵となる構図である。やや盛りは過ぎてはいたが、全山紅葉のお寺であった。

   結びおきし 秋の嵯峨野の 庵より

            床は草葉の 露になれつつ 

   小倉山 しぐるるころの 朝な朝な

            昨日はうすき 四方のもみじ葉

   吹きはらふ もみじの上の 露はれて

            嶺たしかなる 嵐山かな   

                      藤原 定家

常寂光寺の紅葉


コメント

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