龍 安 寺

 石庭の石についての感想)

左端の大きな石は獅子の頭のようであり、又拡大した写真で見ると一角の鬼の頭が左を向いているように、目と鼻が浮き出て見える。次の横に細長い石は、その左の石と共に獅子の背が川の中より出ているようにも見える。又瀬戸内海に浮かぶ島のようでもある。三番目の石組みは、獅子の頭と右手前が子獅子の頭、その向こうが子獅子の背のように見える。大の立石と中の横石と小の石と並び、この三つの石のバランスも良い。大きな石は須彌山のようにも思える。その右手の四番目の石組みは、左が横幅広く段層が入っており、石が正方形をやや潰したような四角で、この二つの石組みがとても造形的に見て面白い。五番目の右端の石組みは肌色が強く花崗岩の山のようである。小さな石が左と右に埋め込まれており、海原に浮かぶ島のイメージである。各々の石組みがそれぞれの特徴を持って、しっかりとその慥かな位置に自らの形姿を決めているかのようだ。そしてまるで石そのものが舞台での俳優のように、見られていることを意識しているかのように、拝観客に思わせるのも不思議なものである。細川政元の指図により、山水河原者が造り上げた庭であろうが、これほどまでに石に個性と存在感を与え、配置の絶妙さにより我々の精神を落ち着かせる力を持たせたことに、感嘆の声をあげざるを得ない。
龍安寺 糸桜


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