南 禅 寺 三 門

今日はまだ桜の開花には一週間早いかと思いながらも、タクシーで南禅寺に向かう。運転手さんに「どこか桜の咲いているところはありますか」と聞くと、「ではひとつだけ咲いているところへお連れしましょう」と言うことで、岡崎公園の近くの京都会館横にある枝垂れ桜の処へと連れていってくれる。それはどこかの寮の庭から道路の方へと伸びた枝垂れ桜であり、思わぬ僥倖にカメラのシャッターを何度か押し続けた。そこから平安神宮の前を通って二条通りを直進し、白川に架かっている岡崎橋を渡って野村碧雲荘の所に出る。その辺りはとても閑静な邸宅が並んでおり、その通りにも一本の枝垂れ桜が咲いていた。

タクシーを南禅寺の三門の所で降りて、三門に登る。当門は南禅寺創建(一二九一年鎌倉後期)後数年後に、西園寺実兼の寄進により建立されたが、火災で焼失。現在の門は寛永五年(一六二八年)に藤堂高虎が、大阪夏の陣で倒れた将兵を弔うために再建したものである。入母屋造り、本瓦葺きの禅宗式三門で、高さ二十二メートルである。向かつて右の山廊に拝観受付があり、そこより急勾配の階段を綱を持ちつつ登る。楼上からは京の町並みが遠望でき、眺望よし。楼内に宝冠釈迦座像が本尊として祀られている。三門の意は空門・無相門・無願文の意味で、仏教修行の三解脱を表すとのことである。日本三大門のひとつで天下竜門とも呼ばれ、上層の楼を五鳳楼という。楼内に狩野探幽、土佐徳悦の筆になり鳳凰、天人が描かれていることから名付けられたものかと思われる。門前左方の巨大な石灯籠は佐久間勝之の寄進で六メートル余りの高さがあり、東洋一の大きさである。

南禅寺 三門

 

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