龍 源 院

 方丈の東にあるのが、我が国で最も小さな壺庭で、東滴壺と呼ばれる。小さいながらも個性があり、見ていて飽きの来ない庭である。長方形の庭の三方が濡れ縁となっており、残りの一辺は壁に面している。白沙に縦に線が引かれていて、その両端に円形が描かれている。そして庭の中央に石がひとつだけ置かれている。きわめてシンプルな庭の構成であるが、その創り上げている空間には統一感があり、心を静謐にさせるものがある。それはまさにこの庭が、ひとつの小宇宙を創り上げているからであろう。

龍源院 東滴壺


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