書 写 山 圓 教 寺
この摩尼殿は崖地に建造された謂れを持つ。書写山に入った上人は四年目に天人が舞い降りてきて、崖地の桜木を拝む姿を見た。それで上人はこの桜木はそんなにありがたいのかと思い、その桜木を切って生木のままに一心に如意輪観音像を刻んだ。こうしてこの如意輪観音が当山の本尊となった。そしてその本尊を安置する場所はこの崖地以外にはなかったのである。現在の建物は昭和八年のものとのことであるが、それよりは古い時代のもののように感じられる。堂々とした建造物であり、殿上に登れば舞台よりの眺めも良い。
摩尼殿でお守りを買って堂を辞し、裏道を通って大講堂、食堂、常行堂の三つのお堂がこの字型に並んでいるところに出る。共に室町時代の建造物であり、特に食堂の蔀戸がおもしろい。食堂の上にある宝物館を見る。
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