伊  部

 藤原啓記念館より、伊部(いんべ)の街・備前焼の里に入る。金重利陶苑(号陶弘)に入って、釜を見せて貰う。登り釜、電気釜を見てそれから轆轤を回しているところも見せて貰う。電気釜はちょうど釜を開けたところであり、陶器がまだ藁灰の燃えかすの中に埋もれているところも見せて貰った。

備前焼の由来は須恵器より始まっており、釉薬を使わず素地のままで強い火で長い間焼きしめ、火加減により現れる窯変の絶趣洵に掬すべきものと書かれてある。桃山時代に茶道具として好まれ、その後江戸時代には藩主池田家の保護により、現在まで連綿と釜の火は続いている。自然の焼成による焼き肌との綜合的な美観が備前焼の持ち味で、焼色も主に次のようなものがある。胡麻焼、桟切(さんぎり)焼、緋襷(ひだすき)焼、青焼、また石はぜと呼ばれるものは、陶土の中に含まれた自然の石が焼成の際に土と石との収縮の差で器物の肌に弾けて、一見傷のようであるがそうではなく自然の柄となり、その美しさが珍重されている。

利陶苑で記念になるものを買おうとして最初は安価なものを見ていたが、やはりじっくりと見るとやはり高価なものの方が味がある。電気もしくはガスと炭との焼成の差もあるのであろう。結局徳利とお猪口を一つずつ買い求める。

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