東  寺

次いで金堂に廻る。今のお堂は豊臣秀頼が発願し、片桐且元を奉行として再興されたもので、天竺用の構造法を用いた豪放雄大な気風の漲る桃山時代の代表的な建築と言われ、細部には唐・和風の技術も巧みに取り入れているという。金堂の中に入る。ここには薬師如来を中心に、右に日光菩薩、左に月光菩薩の脇侍を配している。これらの三尊像は桃山時代の大仏師である康正の作で、密教的な薬師如来の姿をとどめていると書かれてあるが、いずれのお顔も宗教的な崇高さを感じさせないのは残念である。薬師如来の台座の周囲に、十二神將を配置していたようであるが、これは残念ながら見落としてしまった。弘法大師は「祈りなき行動は盲動であり、行動なき祈りは妄想である」として、高野山を修禅の道場として開き、そこで得られた知恵を利他行としてこの東寺で実践されたという。弘法大師のように仏の教えを実践で世の中に具現すると言う、宗教の純粋さと情熱に溢れていた仏教の興隆期に祈りをこめて造立された仏像と、やや体制化された仏教のもとで造立された仏像の違いを目の当たりに見るようであった。金堂から出て、五重塔を背景にして写真を撮る。東門の手前まで来たところで、池に蓮の花が咲いているのが目に留まる。それでこの蓮の花を入れて、五重塔を撮す。 

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